開発担当者インタビュー①

商品開発部課長　渥美英則

潤い自然派中華麺

私たちが麺茶屋を開業し、栗駒山から吹きおろす澄んだ空気と北上水系のきれいな水に恵まれた土地で麺づくりを始めてから135年が経ちました。
麺は美味しいと評判となり、持ち帰りしたいお客様や小麦粉を持ち込んだ農家さん達のために乾麺の製造も始め、今も尚その技術が継承され、進化しています。
時代が変わる中でも、私たちは本当においしい、自然で優しい、素直な麺造りを追求し続けています。更に美味さを保ちながら常温で長持ちさせたい、茹で時間をおさえ作りやすくしたいと研究し、その想いが乾麺の技術を昇華させ、この度自然派中華麺が誕生しました。
特に最新特殊技術（社外秘）により水分値をキープさせることで、乾麺でありながら茹で時間を短縮させることができました。

素材へのこだわりと仕上がりについて

素材は北海道産のブランド小麦粉5種を絶妙な配合でブレンドし、中華麺の食感と色調に必要なモンゴルの天然かんすいを使い、風味とつなぎに卵を使用しています。

低加水で練ることで素材の風味が感じられるシンプルでありながらしっかりと存在感のある細麺。自然な原料のみを使用し、個々の素材の味を活かし、さらにいらないものを省く「引き算」で作り上げました。絹のようななめらかさと麺線の美しさ、優しさもありながらしっかりとした歯ごたえは格別な出来と自負しています。

開発体制とその手法

マルニ食品では、開発部をサポートする生産技術の専門部隊がおります。彼らの正体は職人ではなく、理系の技術部隊です。
理論的に生産条件を数値化するなどし、安定化させるための設備を整えることで、完成品を作っていくやり方です。
自然派中華麺の技術開発は、彼らの努力なくして完成することはありませんでした。
社内で激論が飛ぶほどの会議を繰り返し、幾度の実験と失敗を繰り返しながら、長期戦に及ぶチャレンジの末、納得のいく美味しさを生み出すことができました。

制作過程と工夫したことはどんなことですか？

生産条件を見つけ出す為の温度・湿度・時間・風量・風向きに焦点を絞り数十種類以上の条件を設定し試作・テストを繰り返し行い、要求されるリードタイム48Hをクリアする生産条件を確立することができました。

特に風乾燥については、サーキュレーターの設置場所によって風の流れにムラが発生し室内で温湿度のバラツキが起きる事より、設備を2倍に増やし、室内のどの場所でもバラツキなく乾燥するように、風流調査を行いながら幾度となく（風量も調整）レイアウト変更をしながら量産試作を行いました。温度調整のコントロール、湿度調整のコントロールとうまく釣り合うことが大事です。

また生中華麺を乾燥させる際に使用する箱を最適な条件のものを使い、効率化した生産が可能となりました。麺を均一に乾燥保管する為、網ザルを湾曲状に加工し、麺がほぼ同じ形で乾燥する様に工夫したことで更に時間短縮ができたことは大きいですね。
とにかく、他社の乾燥麺やインスタント麺など、たくさん食べまくりました。ネットで様々な作り方を検索したり、あらゆる方法を試しながら試作に挑みました。

実際に仕上がった乾燥麺の感想は？

試作・測定・検証を繰り返し行い 最適な乾燥条件（基準条件）を見つけた時は嬉しかったですね。
６ヶ月に渡る試作実験の中で、問題が一つずつ解決されるたびに商品化に近づいていると肌で感じる事が出来たのが楽しくもあり、携わった人達みんなの期待を感じ取れる事が出来たんですよ。
無事に発売日前に完成したことが何よりほっとしました。

次への課題について教えてください。

材料や生産方法を含めた生中華麺のIN～OUT迄の生産効率向上（乾燥時間短縮を含む）
商品化の次に求められる事は、製造コストの低減であり、消費者の求める値頃感を満足させる事が最大の課題ではないでしょうか。
今後、増産になった時の設備の増設や品質の維持・管理方法を今の内に考えておくべきと感じます。

二階堂製麺所謹製
「自然派中華麺」の仕様

ご贈答やプレゼント、またお客様がいらっしゃったときにも満足いただけるような、高質感に優れた中華麺です。

◎保存料不使用
天然のかんすいを使用した保存料を使っていない乾麺です。

◎常温保存150日
製造から約5か月の常温保存が可能で、プレゼントにもぴったり。